ひよこレンジ 1 

 

 

寄り添い天を目指す、片翼の鳥たち

枝を絡ませ、お互いを支えあう金銀樹

 

 

 

枢機院の図書館の棚に見つけた

薄い本

分厚い本の多いその場所で

一冊だけひっそりと、一番下のすみのほうに置かれていた

 

そのとき読みたいと思っていた本は

ちいさなヴィーゼの背には高すぎて届かなくて

「どうしよう」と、棚を見上げていた顔を下げたとき

ヴィーゼはそれを見つけた

 

そして

興味津々 近づいて

銀色の背表紙に 指を伸ばした

 

ぺたんと床に座り込んで、本を開いたヴィーゼに

彼女が読みたがっていた本をとろうと

本棚にくっついていたフェルトが気づく

「ヴィーゼ?」

名前を呼ばれてヴィーゼがフェルトを振り返る

 

まるで宝物を見つけたよう

 

きらきらとしたその瞳に惹かれて

フェルトはその傍らにぺたりと寄り添い

ふたり揃って本を覗き込む

 

額をくっつけあうように

フェルトの銀色の髪とヴィーゼの栗色の髪が

触れ合った

 

文字はまだ難しくて

読むことはできなかったけれど

傍に描かれた大きな絵が

おぼろげな内容をふたりに伝えた

 

鮮やかな青を背景に

白い翼を広げた2羽の鳥が描かれている

しかしその鳥たちは、左右のうち片翼を持っていなかった

怪我をしてしまったのか、もともと片方しか持っていなかったのか

それでも

「とりさんたち、なかよしだね」

寄り添って飛ぶ2羽はとても仲がよく見えて

ヴィーゼはふんわりと微笑んだ

「きっと、いつもいっしょなんだ」

 

 

 

 

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