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少女の傍らに少年がいること。
少年の傍らに少女がいること。
それが当然であったのは、故郷という小さな世界でのみ。
――――― 傍らにいる意味に、気づかないままでいた。
王宮の廊下で二人の男が向かい合う。
燭台の灯りはその表情をあからさまにはしない。
「ヴィーゼは、俺が守ります」
すれ違いざまの、彼を振り向かない少年の言葉に、青年は笑みを浮かべる。
「それは行動で示すんだな」
――――― 気づけばなお、離れがたくなった。
マーケットの人ごみの中。
手を引かれた少女は驚きに目を見開いて、幼馴染の顔を見上げる。
「フェルト、どうしたの?」
淡い色を重ねた、薄い布が風にゆれる。
その眼差しを受け止めて、少年は言葉を詰まらせた。
「ヴィーゼは…」
――――― …放したくないと、願った。
La Dolce Vita リーゼヴェルト編 |